品質・規格・環境対応
2026.09.28
RoHSとREACHの違いは何? 電子部品購入時に確認する理由・方法を解説
RoHSとREACHの違いは?
RoHSとREACHは、どちらも有害な化学物質から人の健康や環境を守るためのEUのルールですが、対象となる製品や物質、規制の仕組みが異なります。
RoHSは、主に電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限する指令です。現在は、鉛・水銀・カドミウム・六価クロムなど10物質が制限対象となっています。一方、REACHは「Registration(登録)・Evaluation(評価)・Authorisation(認可)・Restriction(制限)」の頭文字を取った名称で、化学物質を幅広く管理するための規則です。化学物質の登録や評価、SVHC(高懸念物質)の認可、一定の化学物質の使用制限などを定めています。
主な違いをまとめると、以下のとおりです。
| RoHS | REACH | |
| 正式名称 | Restriction of Hazardous Substances |
Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals
|
| 法律の種類 | EU指令 | EU規則 |
| 主な目的 | 電気・電子機器における特定有害物質の使用制限 |
化学物質による人・環境へのリスク管理
|
| 主な対象 | 電気・電子機器 |
化学物質、混合物、成形品など
|
| 主な仕組み | 特定物質の含有量を制限 |
登録・評価・認可・制限など
|
| 電子部品との関係 | 使用制限物質への適合確認 |
SVHCなどの含有情報や制限への対応確認
|
RoHS対応ならREACHにも対応している?
RoHSに対応しているからといって、必ずしもREACHにも対応しているとは限りません。 RoHSとREACHはどちらも化学物質に関係するEUのルールですが、それぞれ対象範囲や目的、規制の仕組みが異なります。
欧州委員会も、RoHSとREACHについて「異なる適用範囲と目的を持つ別々の法令」と説明しています。RoHSは主に電気・電子機器(EEE)に含まれる特定有害物質の使用を制限するのに対し、REACHは化学物質について登録・評価・認可・制限などを行う、より広範な制度です。そのため、電子部品について「RoHS適合」と記載されていても、それだけを根拠にREACHへの対応状況まで判断することはできません。
例えばRoHSでは、鉛やカドミウム、水銀、六価クロムなど10物質について電気・電子機器での使用を制限しています。 一方、REACHではSVHC(高懸念物質)を含む幅広い化学物質が管理対象となり、認可や制限、情報伝達など異なる要求があります。
また、一部の物質はRoHSとREACHの両方で規制対象になる場合があります。規制が重複するケースについて、欧州委員会はRoHSとREACHの双方が適用され、重複する制限についてはより厳しい制限を適用する考え方を示しています。
したがって、電子部品を購入する際にRoHSとREACHの両方への対応が必要な場合は、「RoHS対応品だから問題ない」と判断せず、それぞれの適合状況や含有化学物質情報を確認することが重要です。メーカーの製品ページや環境資料、RoHS適合証明書、REACH・SVHCに関する資料などを個別に確認しましょう。
RoHS・REACHを確認する理由
電子部品を購入する際にRoHS・REACHへの対応状況を確認するのは、完成品の法規制への適合を確認するとともに、取引先から求められる含有化学物質の調査に対応するためです。
電子機器は多数の部品や材料から構成されているため、完成品メーカーだけで含有化学物質を把握するのは容易ではありません。経済産業省も、製品に規制対象物質が含まれているかを確認するには、サプライチェーンをさかのぼって各構成部品の情報を把握することが重要だとしています。
EU向け製品の規制に対応するため
EU市場で販売する電気・電子機器では、製品が該当する法令の要求事項を満たす必要があります。
RoHSでは、原則として対象となる電気・電子機器について、鉛やカドミウムなど10物質の使用が制限されています。そのため、EU向けの電子機器を製造する場合は、使用する電子部品についてもRoHSへの適合状況を確認することが重要です。
REACHについても、使用する部品・材料に含まれる物質によって情報伝達などの義務が生じる場合があります。
取引先からの環境調査に対応するため
電子部品の購買では、取引先からRoHS適合状況やREACHのSVHC含有情報などの提出を求められることがあります。
REACHでは、Candidate List(候補リスト)に掲載されたSVHCが成形品に0.1重量%を超えて含まれる場合、EU・EEA域内の供給者には、その成形品を安全に使用するための情報を供給先へ伝達する義務があります。購入時点で必要な情報や資料を確認しておけば、後から顧客や取引先から環境調査を依頼された際にも対応しやすくなります。
含有化学物質を把握するため
RoHSとREACHでは、対象となる物質や規制の仕組みが異なります。
RoHSへの適合だけでは、REACHで必要となる情報まで把握できるとは限りません。特にREACHでは、Candidate Listへの物質追加によって新たな情報伝達などの義務が生じる場合があります。
電子部品を購入するときからRoHS・REACHそれぞれの情報を確認しておくことで、自社製品に使用される化学物質を管理しやすくなります。
部品の再選定を防ぐため
製品の設計が進んでから「必要なRoHS・REACH関連情報を入手できない」「自社や顧客の環境基準を満たせない」と判明すると、別の電子部品への変更が必要になる可能性があります。
部品を変更すると、代替品の選定や性能評価、設計変更などが必要になることもあるため、価格・在庫・納期・仕様だけでなく、必要な環境情報を入手できるかも購入前に確認しておくことが大切です。
電子部品購入時にRoHS・REACHを確認する方法
電子部品を購入するときは、メーカーが公開している製品情報や環境資料などから、RoHS・REACHへの対応状況を確認できます。
ただし、「RoHS対応」という表示だけでREACHへの対応まで判断することはできません。 必要な規制や顧客要求に合わせて、それぞれの情報を確認しましょう。
メーカーの製品ページを確認する
まずは、購入予定の電子部品についてメーカー公式サイトを確認します。メーカーによっては、製品ページや型番検索ページにRoHS対応状況やREACHに関する情報を掲載しています。また、環境対応情報を型番ごとに検索できるメーカーもあります。
確認するときは、シリーズ名だけではなく、できるだけ購入する正確な型番で調べることが大切です。
RoHS適合証明書などを確認する
RoHSについては、メーカーが発行するRoHS適合証明書、適合宣言書、含有化学物質に関する資料などを確認します。RoHSでは現在、電気・電子機器について鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、フタル酸エステル類など10物質が制限されています。
なお、完成した電気・電子機器については、RoHS適合を示すEU適合宣言(DoC)や技術文書が関係します。一方、個々の電子部品ではメーカーやサプライヤーが提供する環境資料の形式が異なるため、必要な証明内容を満たしている資料かどうかまで確認しましょう。
chemSHERPAなどの情報を確認する
取引先から詳しい製品含有化学物質情報を求められている場合は、chemSHERPAなどによる情報伝達データを確認する方法もあります。
chemSHERPAはRoHSやREACHそのものではなく、サプライチェーンで製品含有化学物質情報を伝達するための仕組みです。経済産業省でも、REACH規則・RoHS指令への対応を見据えた情報伝達基盤としてchemSHERPAが活用されています。
不明な場合はメーカーや販売店へ問い合わせる
メーカーサイトを確認しても必要な資料が見つからない場合は、メーカーや電子部品販売店へ問い合わせる方法があります。経済産業省の資料でも、購入する部材の化学物質情報について、SDSや非含有証明書などの情報をサプライヤーから入手して収集する考え方が示されています。
特に、RoHS・REACH関連資料が必要な場合は、購入後ではなく購入前に入手可能か確認しておくことが重要です。
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REACHを含め、購入予定の電子部品について必要な環境情報がサイト上で確認できない場合は、事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
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