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2026.08.07
L298N|STMicroelectronics デュアルフルブリッジドライバIC
L298Nは、STMicroelectronicsが提供するデュアルフルブリッジドライバICです。
2つのHブリッジ回路を内蔵しており、DCモーター2台の正転・逆転制御や、バイポーラステッピングモーターの駆動を1つのICで実現できる点が大きな特長です。2つのイネーブル入力も備えているため、PWM信号を利用したモーターの速度制御にも対応しやすく、ロボット、搬送装置、産業機器、モーター制御回路など幅広い用途で利用されています。
長年にわたり採用実績のある定番のモータードライバICであり、回路構成がわかりやすく、試作から既存設備の保守まで活用しやすいこともメリットです。
L298 Series 46 V 2 A Dual Full Bridge Driver Vertical - Multiwatt-15
▶在庫・価格・納期・梱包形態・パッケージは製品詳細ページをご確認ください。
L298Nの基本仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | STMicroelectronics |
| 製品タイプ | デュアルフルブリッジドライバ |
| ブリッジ数 | 2(デュアルHブリッジ) |
| 出力数 | 4 |
| 動作電源電圧(VS) | 最大46V |
| 総DC電流 | 最大4A |
| 出力電流 | 最大2A/チャンネル(DC動作時) |
| ロジック入力 | TTL互換 |
| イネーブル入力 | 2系統(Enable A / Enable B) |
| 電流検出 | Sense A / Sense B端子あり |
| 保護機能 | 過熱保護 |
| 駆動対象 | DCモーター、ステッピングモーター、リレー、ソレノイドなど |
| パッケージ | Multiwatt15(15ピン) |
| 実装方式 | スルーホール |
| グレード | Industrial |
L298Nの注目ポイント
2つのHブリッジを1つのICに内蔵
L298Nは、2つのフルブリッジ(Hブリッジ)回路を内蔵しています。DCモーターであれば2台を個別に制御でき、正転・逆転などの双方向制御が可能です。
また、バイポーラステッピングモーターの駆動にも利用できます。
最大46Vのモーター電源に対応
モーター駆動側の電源電圧(VS)は最大46Vに対応しています。
比較的高い電圧を必要とするモーターや誘導性負荷をロジック回路から制御できるため、ロボットや産業機器など幅広い用途で活用できます。
1チャンネルあたり最大2Aに対応
L298Nは、1チャンネルあたり最大2AのDC出力電流に対応し、2つのブリッジを合わせた総DC電流は最大4Aです。
ただし、実際に使用できる電流は放熱条件や周囲温度などによって変わるため、設計時には十分な熱対策が必要です。
DCモーターからステッピングモーターまで対応
DCモーターだけでなく、ステッピングモーター、リレー、ソレノイドなどの誘導性負荷を駆動できる点も特徴です。
1種類のドライバICをさまざまなモーター制御回路に利用できるため、設計の自由度を高められます。
独立したイネーブル入力を搭載
2つのブリッジにはそれぞれEnable A・Enable Bが用意されています。
イネーブル信号による出力制御が可能で、PWM信号と組み合わせることでDCモーターの速度制御などにも利用できます。
電流検出用端子を搭載
Sense A・Sense Bの電流検出用端子を備えていることもポイントです。
外付けの検出抵抗と組み合わせることで負荷電流を監視でき、モーター制御回路の電流管理に活用できます。
過熱保護機能を搭載
L298Nには過熱保護機能が搭載されています。モーター駆動時の発熱に対する保護機能を備えていますが、L298Nは動作時の損失が比較的大きいため、使用条件によってはヒートシンクなどによる適切な放熱設計が重要です。
L298Nの購入前の確認ポイント
L298Nを購入・採用する際は、モーターの電圧や電流だけでなく、発熱、電圧降下、外付け部品、実装方法なども確認することが重要です。
特にL298Nはバイポーラトランジスタ方式のため、近年のMOSFET方式のモータードライバと比較すると損失が大きくなりやすい点に注意しましょう。
モーターの電源電圧を確認する
L298Nのモーター駆動用電源電圧(VS)は最大46Vです。使用するモーターの定格電圧だけでなく、電源変動やモーター動作時に発生する電圧変動も考慮し、L298Nの定格を超えないように設計する必要があります。
モーターの電流を確認する
L298Nは1チャンネルあたり最大2AのDC出力電流に対応します。ただし、これはあらゆる条件で連続して2Aを流せるという意味ではありません。
モーターは起動時やロック時に定格電流を大きく上回る電流が流れることがあるため、定格電流だけでなく起動電流やストール電流も確認して選定しましょう。
電圧降下を考慮する
L298Nはバイポーラトランジスタを使用したドライバのため、出力段で比較的大きな電圧降下が発生します。そのため、電源電圧がそのままモーターに加わるわけではありません。
低電圧モーターを使用する場合は、電圧降下によって回転速度やトルクが想定より低下する可能性があるため注意が必要です。
発熱と放熱方法を確認する
モーターを大きな電流で駆動すると、L298N自体の消費電力が増えて発熱します。負荷条件によってはヒートシンクなどの放熱対策が必要です。
特に連続運転する機器では、周囲温度や放熱条件を考慮し、データシートの熱抵抗や許容損失をもとに熱設計を行いましょう。
外付けフライバックダイオードの必要性を確認する
L298NでDCモーターやステッピングモーターなどの誘導性負荷を駆動する場合は、スイッチング時に発生する逆起電力への対策が必要です。
L298N単体にはフライバックダイオードが内蔵されていないため、適切な外付けダイオードを使用する必要があります。市販のL298Nモータードライバモジュールでは、あらかじめダイオードが実装されている製品もあります。
IC単体かモジュールかを確認する
「L298N」として販売されている商品には、IC単体と、L298Nを搭載したモータードライバモジュールがあります。
モジュールには端子台、ヒートシンク、フライバックダイオード、電源回路などが搭載されている場合があります。購入時は写真だけで判断せず、IC単体なのか完成したモジュールなのかを確認しましょう。
実装方式を確認する
L298NはMultiwatt15パッケージです。基板へ実装する場合は、ピン配置や基板設計、ヒートシンクの取り付け方法などを事前に確認する必要があります。
表面実装が必要な場合は、PowerSO-20パッケージのL298Pなど、同ファミリの別製品も比較するとよいでしょう。
新規設計では他のモータードライバとも比較する
L298Nは長年使用されている実績のあるモータードライバですが、バイポーラ方式のため、電力効率や発熱の面ではMOSFET方式の新しいモータードライバが有利になる場合があります。
特にバッテリー駆動、小型機器、高効率化を重視する設計では、L298NだけでなくMOSFET方式のドライバも比較したうえで選定することをおすすめします。
L298Nの類似製品
L298Nと同様に、DCモーターやステッピングモーターの駆動に使用できるモータードライバICは複数あります。
類似製品を選ぶ際は、モーター電源電圧、出力電流、電圧降下、制御方式、保護機能、パッケージなどを比較することが重要です。
L293D
L293Dは、STMicroelectronicsなどから提供されている4チャンネルのプッシュプルドライバです。DCモーターの双方向制御やステッピングモーターの駆動に利用できます。
L298Nより出力電流が小さいため、比較的小型のモーターを駆動したい場合の選択肢となります。また、L293Dは誘導性負荷に対応するクランプダイオードを内蔵している点も特徴です。
L293D Series Push - Pull Quad Channel Driver with Diodes - POWERDIP-16
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L298P
L298PはL298ファミリのデュアルフルブリッジドライバで、基本的な機能はL298Nと共通しています。大きな違いはパッケージで、L298NがMultiwatt15なのに対し、L298PはPowerSO-20を採用しています。
基板への表面実装が必要な場合など、実装条件に合わせて比較できます。
L6203
L6203は、STMicroelectronicsのDMOSフルブリッジドライバです。MOSFETベースの出力段を採用しており、バイポーラトランジスタを使用するL298Nとは回路構成が異なります。
より高効率なモーター駆動や、損失・発熱を抑えたい設計では比較候補となります。ただし、L298NのようなデュアルHブリッジではなく、1つのフルブリッジを内蔵する製品である点には注意が必要です。
L6203 Series 12 to 48V 4 A Through Hole DMOS Full Bridge Driver - MultiWatt-11
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L6205
L6205は、2つのDMOSフルブリッジを搭載したモータードライバです。L298Nと同様に2系統のHブリッジを利用できる一方、DMOS出力段を採用しています。
DCモーターやステッピングモーターの駆動に利用でき、効率や発熱を重視してL298Nから別のドライバを検討する場合の候補となります。
類似製品を選ぶ際のポイント
- 電源電圧:使用するモーターの電圧に対応しているか
- 出力電流:モーターの定格電流・起動電流をカバーできるか
- Hブリッジ数:DCモーターを何台制御するか
- 出力段:バイポーラ方式かMOSFET方式か
- 電圧降下・発熱:必要な効率と放熱条件を満たせるか
- 保護機能:過熱・過電流など必要な保護機能があるか
- 実装方式:スルーホールまたは表面実装
- 外付け部品:フライバックダイオードなどが必要か
特にL298Nは古くから利用されているバイポーラ方式のドライバのため、新規設計では、単純に電流・電圧だけを比較するのではなく、MOSFET方式のモータードライバも含めて効率・発熱・実装面積を比較すると選定しやすくなります。


